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土門拳 / 2007.10.2

先の日曜日、NHKアーカアイブスの「ドキュメント人間列島/”鬼が撮った・・・”土門拳の世界」(1984年)を見た。
土門拳の作品に初めて出会ったのはいっだったのだろう!?
パラゴンの書棚に「土門拳全集」全13巻(小学館)が鎮座している。
この全集の刊行は昭和58年(1983年)9月の「古寺巡礼」から始まり「筑豊のこどもたち」「ヒロシマ」・・「傑作選上下」2巻で完結したのは昭和60年6月である。
自店で催すジャズライブをNikon/FM2を使い見よう見まねで撮っていたその頃の私に、写真についてのいろんな話をしてくれたのは以前関西の方で商業写真家の助手をしていたという珈琲好きなM氏である(店に飾ってあるデューク・ジョーダンTrioの3枚の写真は彼の作品)。
そのM氏が「昭和54年脳梗塞で倒れ意識不明で入院している土門拳の最後の作品集になるだろう」という言葉に後押しされ購入を決意したのがその全集であった。
隔月毎に届けられるその写真集、まるでそこに存在するかの如き仏像の質感、そこに色彩を感じてしまうモノクロ寺院風景、木の葉一枚一枚にまでピントの合ったクローズアップ写真、
今までに見たこともない「写真から迫ってくるリアリティー」・・・
あぁ!こんな珈琲を!と一瞬思った。
平成16年4月、福岡の田川で展示会(全仕事・傑作展)が開かれることを知り勇んで出かけた。鹿児島から電車、バスに乗り継ぎ田川市美術館へ、お昼をだいぶ過ぎた頃到着昼食は後でと、とにかく入館、入り口一枚目「神護寺金堂 薬師如来立像面相」の作品を見た時「あっ!」と声をあげそうになった。わずかに残る唇の「朱」の色にまるで皮膚の下に温い血が通っている生きている如来の存在を感じてしまった。
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       ※その時の田川市美術館での土門拳傑作展のポスター

「土門拳全集/全13巻」の刊行が始まった1983年、土門の生誕地・山形県の酒田市に「土門拳記念館」が開館している。
「近いうちに酒田に!」と密かに計画中・・これじゃあもう密かじゃないですね!
by paragon-cafek | 2007-10-02 07:52


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